◆ 実績の概要
測定代行株式会社では、本件のような既存システムのリプレースやLabVIEWを用いた計測・制御システムの受託開発を数多く手掛けています。 特に、WindowsXPなどの旧OSからWindows11への移行や、ActiveXを利用した既存システムの置き換えでは、装置やソフトウェアの仕様変更に伴うさまざまな課題が発生します。 本事例では、実際の開発現場で発生したトラブルの調査方法や解決までの流れ、さらに運用開始後に追加された機能開発についてご紹介します。同様の課題でお困りの方の参考になれば幸いです。
本件は、実機を接続したシステムインテグレーション(実機連動テスト)の初期段階で発生した問題です。同一シリーズの後継機種である新しい3軸移動ステージへ更新したところ、 旧プログラムで旧ステージを動作させた場合と比較して、新プログラムで新ステージを動作させた際の移動量にズレが生じることが判明しました。
まず、問題がプログラムにあるのか、それともステージ装置側にあるのかを切り分けるため、旧プログラムで新ステージを制御するなど、新旧プログラムと新旧ステージを組み合わせて移動量を比較しました。 その結果、旧プログラムで新ステージを制御した場合でも同じズレが発生したことから、原因はプログラムではなくステージ側の仕様変更にある可能性が高いと判断しました。 そこで、新旧ステージのマニュアルを改めて詳細に比較・調査したところ、新ステージでは最小移動単位が変更されており、旧ステージより細かい移動量を指定できる仕様になっていることが判明しました。 この仕様変更が、移動量のズレを引き起こしていた原因でした。
新プログラムでは、旧ステージの移動量計算式をそのまま利用していたため、新ステージの仕様との差異を考慮できていませんでした。 そこで、新ステージの最小移動単位に合わせて移動量の計算方法を見直したところ、旧システムと同等の移動量を再現できるようになり、移動量のズレを解消することができました。 同じシリーズの装置であっても、世代交代によって内部仕様や制御単位が変更されることは珍しくありません。弊社ではプログラムだけでなく装置仕様まで詳細に調査し、 既存システムと同等の動作を維持できるよう最適な制御方法をご提案・実装しています。
こちらはシステム構築後の動作確認中に発生しました。ステージをXY軸へ斜めに移動させる際、新ステージが旧ステージに比べて速度がかなり遅いことが確認できました。
先の新旧ステージでの経験を踏まえ、ステージ移動並びに速度設定コマンドの仕様を新旧のマニュアルで比較しましたが、仕様の違いは見つけられませんでした。 そこで、新ステージ側のマニュアルを改めて詳細に確認したところ、新ステージには斜め移動専用の移動・速度設定コマンドが追加されていることが分かりました。
新プログラムに新たに斜め移動用の処理とコマンドを追加したところ、旧ステージと同じ速度で斜め移動できるようになりました。 装置の世代が変わると、従来と同じ型番系列であっても制御コマンドや通信仕様が追加・変更されることがあります。 弊社ではマニュアルや通信仕様を詳細に調査し、既存システムの動作を維持できるようプログラムを最適化しています。
本機能は、システム納品後にお客様からいただいたご要望をもとに追加開発したものです。 従来のシステムでは、画像上をマウスでクリックして切削ラインを指定し、その座標に沿って切削を行う方式を採用していました。この方法は精密な位置決めには適していますが、 広範囲を切削する場合には、多数の切削ラインを手作業で登録する必要があり、作業時間が長くなるという課題がありました。 また、試料によっては一度の切削では十分な深さまで加工できず、少しずつ切削を繰り返しながら目的の深度まで加工する必要があるため、作業効率を改善したいというご要望をいただきました。
まず、従来の精密切削機能はそのまま残しつつ、広範囲の加工を効率化するための新しい機能を追加しました。 操作方法が大きく変わらないよう、画像上をクリックして座標を指定する方式は従来どおり採用し、新たに「開始座標モード」と「終了座標モード」を追加しました。 開始位置と終了位置を指定した後、生成する切削ライン数を入力すると、その範囲を等間隔に分割し、開始・終了ラインの形状に沿った切削ラインを自動生成できるようにしました。 これにより、広範囲を加工する場合でも、多数のラインを手作業で登録する必要がなくなり、作業時間を大幅に短縮できるようになりました。
次に、自動生成した切削ラインを自動で掃引する機能を実装しました。 当初は、設定した回数だけ1本のラインを繰り返し掃引し、完了後に次のラインへ自動的に移動する仕様としていました。 しかし、試作版をご評価いただいた際、お客様から「加工状況を確認しながら作業を進めたい」「安全面を考慮し、ラインごとに継続するか判断したい」というご要望をいただきました。 そこで、各ラインの加工が終了するたびに継続確認のメッセージを表示し、次のラインへ進むか、一時停止するかを選択できる仕様へ変更しました。 これにより、自動化による作業効率と、研究現場で求められる安全性・操作性の両立を実現しています。
本事例では、WindowsXPからWindows11へのシステムリプレースだけでなく、 装置仕様の違いによる制御プログラムの調整、画像処理を利用した切削位置指定機能の統合、 さらに運用開始後のお客様のご要望に応じた機能追加まで、一連のシステム開発を担当しました。
弊社では、既存機能を単に再現するだけではなく、実際の運用方法や研究内容に合わせて機能を追加・改善することで、 より使いやすく、長く活用できるシステムをご提供しています。
本事例のように、LabVIEWを用いた計測・制御システムでは、OS更新や装置の世代交代、計測器・カメラの変更などに伴い、 プログラムの改修や機能追加が必要になるケースが少なくありません。 弊社では、LabVIEWによる計測・制御システムの受託開発をはじめ、既存システムの解析・改修、新機能の追加開発、複数メーカー製の計測器・モーションステージ・カメラとの連携まで、一貫して対応しております。
「現在使用しているシステムを改善したい」 「Windows11へリプレースしたい」 「研究内容の変化に合わせて機能を追加したい」 「複数の装置を一つのシステムに統合したい」などのご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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