◆ 実績の概要
測定代行株式会社では、実験設備の構築、システム全体の制御・自動計測ソフトウェア(LabVIEW)の開発およびシステムインテグレーションの受託開発実績が多数ございます。メーカーや通信仕様が異なるハードウェア群を一元管理する際、実機立ち上げ(現地調整)フェーズで発生しやすい通信不具合や物理的な干渉に対し、弊社がソフトウェアおよび接続エンジニアリングの観点からアプローチしたトラブルシューティングの実例をご紹介いたします。
本件は、システムインテグレーション(実機連動テスト)の初期フェーズで発生しました。仕様上、RS232Cポートを介して外部制御可能なはずの直流電源装置が、構築したLabVIEWソフトウェアからのコマンド(指示信号)を一切受け付けない状態となりました。
LabVIEWのプログラム起因か、あるいはハードウェア側の問題かを切り分けるため、TeraTermなどの汎用ターミナルソフトを使用してコマンド直接送信を試みました。しかし、同様に制御を受け付けなかったため、ソフトウェア側のバグではなく、物理的なUSB-シリアル変換ケーブルの結線や装置本体の設定に原因があると通信経路の切り分けを行いました。
次に、直流電源装置のRS232Cコネクタ部分の配線を確認しました。標準的なマニュアルの記述と比較しても結線自体に問題はなさそうに見えましたが、弊社から装置メーカー様へ実機の詳細な仕様確認を行ったところ、該当製品の特定タイプ固有の特殊なピンアサイン(特定ピンの短絡処理など)を行わなければ通信を受け付けないハードウェア仕様であることが判明しました。
メーカー様より提示された特殊配線仕様に基づき、該当の変換ケーブルの物理結線を修正したことで、LabVIEWソフトウェアとの間で正常な遠隔制御・データ送受信が行えるようになりました。
こちらも現地での総合動作テスト中に浮上した課題です。他社製の各種機器をすべて揃え、システム全体を連動させて動かしたところ、LabVIEWで収録していたアナログ測定データに、特定の条件下で不規則なスパイクノイズが混入する症状を確認しました。
ノイズが常時発生しているわけではないため、LabVIEWから各接続機器(温調器、MFC、ポンプなど)を一対一で個別駆動させ、データ収録への影響を検証しました。その結果、ガス・液体供給用のポンプが駆動しているタイミングと同調して、アナログデータにノイズが発生していることを突き止めました。
ポンプのモーターノイズ、または配管を伝うハードウェアの機械振動が原因であると仮定し、ポンプ周辺への防振ゴムの追加や、信号用シールドケーブルの隔離を実施しました。しかし再試験の結果、ノイズの振幅(幅)は多少減少したものの、根本的な解決には至りませんでした。
物理的な防振のみでは解決しなかったため、電気的な接地状態を疑い、データ収録用装置(DAQ)のアナログ入力端子まわりを詳細に調査しました。その結果、グラウンド(GND)接続が緩んでいたことが判明。ポンプ稼働時の微小な機械振動が筐体を伝わることで、グラウンド(GND)の接触状態が不安定になり、データにノイズが乗る原因となっていたことが特定されました。
データ収録用装置のGND配線をしっかりと接続し直し、グラウンド(GND)接続を確実に確保した状態で再テストを行いました。結果、波形上のスパイクノイズが測定に影響のないレベルまで抑制され、ソフトウェア側で本来の正確な電気化学評価データを安定して収録できるようになりました。
こちらはシステム構築後の試運転(ロングラン試験)の最中に浮上した、再現性の低い課題です。システムを連続稼働させていると、突然直流電源装置がLabVIEWからの制御コマンドを受け付けなくなる症状が発生しました。
一度通信ハングアップ状態に陥ると、LabVIEWのプログラムを再起動しても制御不能なままでした。そこで復旧のための最小条件を模索したところ、 PCの再起動を行わなくとも、同変換ケーブル自体を一度抜いて物理的に再接続すれば即座に回復することが分かりました。これにより、機器本体のフリーズではなく、通信ポート(COMポート)側の問題であると絞り込みました。
環境要因を調べるため、直流電源装置のみの単独運転から始め、MFC、ポンプ、温調器と、同時に稼働させるハードウェアをソフトウェア側から順次追加していく負荷試験を行いました。 その結果、ヒーターによる高温制御を行う他社製の「温調器」を同時に稼働させたタイミングで、ランダムに通信が制御不能になる現象が発生することを確認しました。
温調器からのノイズが通信線に影響しているルートを調査したところ、該当の変換ケーブルを接続しているUSBハブを介して、温調器のノイズが干渉している可能性が浮上しました。 そこで、温調器側と直流電源装置側の変換ケーブルをそれぞれ物理的に離れた別のUSBハブへ差し替えて運転したところ、ハングアップが一切発生しなくなることが分かりました。
他社製温調器のノイズによる干渉を遮断するため、直流電源装置用の通信ラインと温調器用の通信ラインを、外部ハブの段階から物理的に分離して配線し直しました。 このシステム構成の最適化により、数日間にわたるSOFC・SOECの長期連続自動評価テスト中も、一切ハングアップすることのない強固なシステムを実現しました。
複数の装置や多ベンダの計測器を組み合わせた複雑な自動計測システム構築をご希望の方、または既存のLabVIEWシステムの改修・アップデートをお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
測定代行株式会社は、元・計測器メーカー(横河計測)での最先端R&D経験をバックボーンに持つ、計測制御・自動制御のスペシャリスト集団です。単にソフトウェア(LabVIEWコード)を組むだけでなく、ハードウェアのノイズ対策、通信プロトコルの最適化、物理現象への深い理解をもって、現場環境でも『狂わない・止まらない』強固な監視・制御装置をオーダーメイドで受託開発いたします。
LabVIEWを用いたシステム受託開発やプログラムのバグ修正、複合センサーおよびMFC(マスフローコントローラ)を組み合わせた高度な自動化システムをご要望の方は、まずはお気軽に弊社までお問い合わせください。
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